毎年6月と11月に行われる四谷大塚主催の全国統一小学生テスト。
近年は中学受験の入口とも言われ、いったんこのテストを受けてみてその結果で中学受験をするかしないかを検討するご家庭もあるようです。
しかし、その判断の仕方は間違っています。全国統一小学生テストは小3までは中学受験の入口となるテストですが、4年生以上は全く違うコンセプトのテストになります。このテストの結果で受験をあきらめるなんてもったいないです。
小学3年生の2学期は入塾テストが目白押し
中学受験準備は早いご家庭で小1から、最近は遅くとも小4の夏期講習までには多くの方が始めています。その中でも多くの方がスタート時期にしているのが新小4の2月(3年生の3学期)です。
これは予習シリーズという中学受験対策テキストのスタート時期に合わせています。他の教材もこの予習シリーズに合わせていますので、本格的な中学受験準備のスタートは新小4の2月というのが一般的になっています。
この新小4の2月スタートに向けて、小3の10月以降、入塾テストが目白押しになります。基本的に入塾テストに受かればいつからでもスタートすることはできるのですが、授業の第1回から抜けもれなく受講しようとした場合にはこの入塾テストの時期を逃してはいけません。
ではそれぞれの塾のテストはどのようになってるでしょうか。ここでは無料で受験できる入塾テストとして日能研と全国統一小学生テストを紹介します。
なお、サピックスへの入塾はサピックスの入塾テストの合格が必須です。この2つのテストとは別のテストを受験し入塾資格を得る必要があります。
日能研の全国テスト
日能研の全国テストは毎年6月と10月~1月の各月に行われます。このテストが入塾テストを兼ねており、3年生は翌年2月からの新4年生のクラスを決めます。4年生・5年生はすぐに入塾が可能です。
このテストの特徴は「入塾テストに特化している」こと。4年生以上の内部生はこのテストを受験しません。そのため、このテストでも偏差値が出ますが、まったくあてにならない成績です。
もう一つの特徴は「記述が多く、問題文が長い」こと。
日能研はこの記述問題と問題文の長い状況的な出題が特徴で、それはこの全国テストにも反映されています。
そのため、日能研のテストで点数のいいお子様の特徴は「ひらめきに強い」「作文が得意」「読むことも得意」です。
逆に丁寧に計算ができる、知識が多いなどのお子様や公文との相性がよくないため、自信を失う可能性のあるテストです。
中学受験が記述偏重型になってきており、記述力、読解力が必要というのは間違いではないものの、日能研のテストはその影響をもろに受けており、学力以外に精神年齢の高さを要求されるテストであるといえます。
全国統一小学生テスト(3年生まで)
全国小学生テストの3年生までは比較的バランスのいいテストです。入塾テストとしての機能を十分に果たしており、バランスのいい出題になっています。3年生からはマークシート型になるため、マークシート慣れしてないと実力が発揮しきれないお子様もいます。
しかし四谷大塚主催のテストでマークシートを解答用紙に使用する唯一のテストなので、マークシート慣れをさせる必要はありません。全国統一テストは四谷大塚、早稲田アカデミーの入塾テストに使用されていますが3年生までであればそれほど入塾資格は高くないといえます。
そのため、全国統一小学生テストを塾に行かずに受けるのなら「小学3年生まで」をお勧めします。
全国統一小学生テスト(4年生から)
全国統一小学生テストは小学4年生からはまったく違うテストになります。日能研の全国テストが内部生の受験しないテストなのに対して、全国統一小学生テストは偏差値70以上の最上位クラスの生徒まで、四谷大塚、早稲田アカデミー他、四谷大塚系(Yt-Net加盟塾)の内部生は必ず受けるテストになっています。
これには全国統一小学生テストが入塾テストではなく、その時の日本の最高学力を決めようというコンセプトのテストだからです。
もちろん、もっともっと難しいテストが四谷大塚にも早稲田アカデミーにも存在するのですが、このコンセプトで作成されたテストを塾に通っていない、中学受験準備をしていないお子様が受験をすると、手も足も出ない、歯が立たないということが起きます。
私が教室運営をしていた時にも、この全国統一小学生テストで自信を失ったご家庭の面談を何件もしましたが、以上のことを認識しないまま受けてしまっている方が非常に多かったです。
入塾テストとの向き合い方
入塾テストの点数は本人の実力ではありません。問題用紙と解答用紙が別々のテスト、白黒でカラーが全く使われていない体裁のテストを受験するということは大人の想像以上にお子様を緊張させ、習っていないことに対してストレスを感じたり、自信を失ったりします。
入塾テストは複数回受験していくことで徐々に慣れていくものです。また、4年生以降徐々に入塾基準はシビアになります。そのため入塾テスト不合格が続くようなら個別指導塾での準備も視野に入れる必要があります。
新学年スタートまでのスケジュール
小学3年生が新4年生からの通塾開始をするためには、以下のスケジュールをお勧めします。
10月~12月:いろいろな塾の体験授業や入塾テストを受け、12月までに通う塾を決める
1月:新学年ガイダンスに参加をしテキストを受け取る
2月:新学年スタート
早ければ10月3週目、遅くとも11月下旬には来年度のスケジュールが決まります。そのため習い事の調節やどの塾なら通えそうかを体験授業で検討するなど年内中に塾の絞り込みから入塾する塾の決定までを行います。
すべての塾にお子様を連れていくことはできないと思います。事前にいくつかの塾を保護者だけで見て回りどの塾に体験授業や学習相談を申し込むかを決めることをお勧めします。
全国統一小学生テストで落ち込まない!
全国統一小学生テストで落ち込まない。これは必ず私がご面談の際にお伝えしていました。
これはなぐさめではなく、あのテストではお子様の実力を測りきれないと思っています。日能研のテストも同様です。
大事なのは、受けたこと自体をほめてあげること。できてないところではなくできているところに目を向けることです。それができないと、長く続く中学受験準備は人よりも苦しい道になると断言できます。
保護者の方がお子様の自己肯定感を損なわないようにすることは中学受験をよい成長の機会、後々のよい家族の思い出にするためには絶対に必要です。
この入塾テストはその第一歩なのです。
大手集団塾は途中からの入塾が難しい!?いまや最初から個別指導というのも検討すべきです。
家庭教師なら東京大学の学生で。
受験Drは老舗ですね。
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