【新4年生からの中学受験】中学受験塾を比較する7つのポイント

中学受験の真実

中学受験の一般的なスタート時期として根強い新4年生からの中学受験スタートに向けての塾比較ポイントをご紹介します。

この記事ではご家庭の中学受験における基本方針がどの塾に合っているか、マッチングさせられるように各項目ごとに中学受験塾を比較していきます。

どのご家庭にも合う塾は存在しません。絶対にこういう塾のほうがいいというものはなく、ご家庭や本人のタイプによってとらえ方も異なります。

そのため特定の塾を極端に貶める、持ち上げるということはしません。ある人にとっては合う塾が別の人にとっては合わないというのは非常に多いです。

そのため、この記事を参考にしつつ最終的にはぜひご自身の目で見てご判断ください。

①合格実績

合格実績の見方は様々です。見方によって、評価が変化します。

在籍が多い大手進学塾では合格者数で表されます。合格者数で実績を表現している塾は大規模であるということもできます。こういった塾は合格者数で表しますが、受験者数は公表していません。

そのため、何人受けて何人合格したか、何人は不合格だったのかということは判明しません。合格者数の裏には少なくない不合格者がいます。

逆に中規模以下の塾は合格率という言い方をします。何人受けて何人合格したのかという実績になります。こちらは不合格者数もわかるため、合格者数のみより透明性があるように見えます。

しかし、中規模以下の塾の合格率はよく見ると過去3年とか過去5年とかいった表記がされています。すなわち1年ごとでは受験生がいない学校があったり、見栄えのしない実績だったりだと過去〇年というまとめ方をして実績を出します。

これだと、安定して実績が出ているのか、ある年の実績がよくて悪い年とムラがあるのかといったことがわかりません。

また、大手進学塾になるとあらゆる学校に受験生を送り出しています。

そのため何人の合格だったらいい実績なのか、何人だったら失敗だったのかについて、問い合わせをする保護者様が見てわかるものではありません。

確かに御三家の合格者数は他塾と比較できますし、定員に対しての合格者の占有率という表現の仕方もできます。

しかしみんながみんな御三家を志望しているわけではないでしょうし、御三家の合格者数の多さは在籍の多さでもあるため必然的にその下の偏差値帯の学校の合格者数も多くなります。

実績を教えてください、実績を見て塾を決めますとおっしゃる方は多いです。

ですが、実績だけで塾を決めることはおろか、実績に対してどんな評価をするかについても正しい判断が必ずできているとは言い難いのです。

②面倒見のよさ

面倒見の良さをポイントとしている保護者の方は多いです。

出した宿題のチェック、宿題ができていないときのフィードバック、塾での様子を教えてほしいという保護者。

塾に任せっぱなしで受験を成功させたい、そのためにお金を払っていると思っている方も多いです。

面倒見がいい塾=合格実績の高い塾ではありません。

関係者に怒られそうですが、一番合格実績がいいとされているSAPIXは面倒見の良くない塾です。

自習室はありませんし先生に質問をする機会も限られています。

手取り足取りを希望している保護者にとっては満足度は低いかもしれませんが、ご存じの通り一番御三家を含め難関進学校の合格を出しているのがSAPIXです。

面倒見の良さでいえば、早稲田アカデミー、日能研、栄光ゼミナールあたりでしょうか。

その中でも早稲田アカデミーは先生と生徒に一定以上の距離をとります。礼儀を重んじており、昔ながらの体育会系のノリは影をひそめているもののいまだにしつけをすることが大事だと思っています。

日能研は本部系であれば受付もなく、先生やスタッフと子どもたちの距離が近い塾です。友達と一緒にを強く打ち出し、シナジーを大事にするためにクラスの人数も30名前後と多いです。

日能研は相談したいといえばすぐに相談に応じてくれます。スタッフは授業を持ちませんのでフットワークは軽いです。

反面、日能研のスタッフは定期連絡をする文化があまりありません。

すなわちSOSを出せばきちんと対応してくれますが潜在的なSOSには鈍く、特に非受験学年には手厚くないといえます。

栄光ゼミナールは人数の関係もあって多くの教室が1クラス編成です。

習熟度別クラスを目指すには在籍が足りませんが、少人数グループ指導ということで集団の形をとりながら個々に学習管理をする塾です。

面倒見の良さでいえば、栄光はかなり手厚いでしょう。

しかし、面倒見の良さが必ずしも生徒の成績向上につながるわけではありません。

SAPIXがターゲットにする御三家レベルの学校の合格を獲得するためには、自立した学習者である必要があります。

自分で学び進めるためには精神年齢を高めていく必要があります。

面倒見の良さを求めるならSAPIXではありません。けれどもそれは同時に御三家はあきらめてくださいということと同意です。

他塾でも御三家合格者はいます。しかし、反論を承知でお話しすると鉄緑会指定校への合格にはSAPIXカリキュラムのような高い論理的思考力が必要です。

面倒見の良さを求めるのはきつい言い方をすれば生徒保護者甘えにすぎません。

大学附属校を目指すのであれば別です。面倒見がよく、個に合わせた塾である必要があります。

志望校によって出題傾向や難易度の開きが大きく、面倒見良く対応してもらうことが合格可能性を高める大学附属校であれば、高いレベルでの面倒見の良さや高頻度のコミュニケーションをとってくれる塾のほうが適切です。

志望校がどこかによって面倒見の良さはいい影響も逆影響も及ぼすのです。

③テストの頻度

テストの頻度は確認すべきです。

毎週のようにテストを行う塾から、月末のテストで組み分けをする塾、授業中に行う塾など中学受験塾のテストはその内容・頻度に大きな違いがあります。

一番テストの回数が多いのが日能研でしょう。

4年生の9月以降は4週に3回、小5になればほぼ毎週行われるテストは単元別到達度を測るカリキュラムテストと公開模試に分かれ、その成績をもとに席順も変わるシステムには賛否両論あります。

テストの回数が多いというのはそれだけ細かく効果測定ができ、到達度を確認することができるというメリットがあります。

反面、それだけの回数のテストになると管理しきれず、テストを受けるという刺激がよわまったり、復習機会を適切に設けることができなかったりします。

四谷大塚系は週末のカリキュラムテストと月末の組み分けテストに追われます。

早稲田アカデミーも同じです。特に組み分けテストの成績はクラスのアップとダウンに影響しますので、テストのために勉強するという構造があります。

この状態は6年の6月まで続き、早稲田アカデミーであればそこからNN志望校対策特訓のクラスに入れるように選抜テストを受験していきます。

一番テスト頻度が少ないのがこの中なら栄光です。栄光ゼミナールでは授業中にテストを実施し担当講師がテスト観察をします。

テストの頻度が多すぎると復習ができません。一方テストの頻度が少ないと現状のポジションがわからず不安に感じる保護者も多いです。

テストは復習できる程度の頻度が本来は望ましいです。回数が多すぎると使い捨てになり、回数が少なすぎると復習機会を失うことになります。

テストの復習の仕方は別でお話しします。

④拘束時間(お弁当の有無)

お弁当の有無は特にお母さまが気にするところです。

一番拘束時間が長いのが日能研、一番少ないのは市進学院と言われています。

日能研は長いお休みの講習会であれば一日8時間の授業、一食~二食は塾でご飯を食べたり、マクドナルドを注文したりと完全に自分の場所を作らせる塾です。

ほかの塾ではここまでの拘束時間はありません。SAPIXは日能研の反面教師としてお弁当を食べる時間を設定しなくてすむように調整をしています。

拘束時間の長さは弁当の負担だけではなく、定着のために自らが勉強する時間を奪います

別の記事でもお話ししていますが、「わかった」だけではテストで点数が取れず「できる」に変えないといけません。

拘束時間のほとんどを授業にしてしまうとこの定着のための自習時間がとれません。そのため学習効果は下がってしまうと思われます。

授業の拘束時間が短いと家で勉強をということになりますが、多くの保護者の方が口をそろえておっしゃるのは家でまったくやらないということです

そのため、理想的なことを言えば、塾で授業も定着のための自習も完結でき、成果に結びつくということなのだと思います。

テスト結果が良くても勉強する姿を子どもが保護者に見せていないとどうなるでしょうか。

保護者の心情としては「これから下がるはずだ。」「努力もしないで結果が出ているということは本人のためによくない。」となりがちです。

拘束時間が長すぎると定着のための自習の時間が取れず成果に結びつきにくい、拘束時間が短く家庭学習をする姿が見られないと保護者はいらいらし、もちろん成果に結びつきにくい。

拘束時間については長くても短くてもそれぞれの長所・短所はありますのでご家庭でご検討されるとよいと思われます。

⑤家庭学習の負担

大手進学塾は大きく予習型と復習型に分かれます。

いまや予習型の塾というのは四谷大塚くらいになっております。

予習をすることで授業が2回目になるため授業での理解だけではなく定着度が高まり、復習の必要が少なくなるというメリットがあるといわれています。

しかし、正直今の予習シリーズを予習できる力をどのくらいの子どもが持っているのかは疑問です。

かといって復習型のSAPIX、早稲田アカデミー、日能研に学習負担が少ないわけではありません。

【主な家庭学習の項目】

①授業テキストの解き直し

②復習用テキストの演習

③日々の計算と漢字

④テストの解き直し

⑤講習期間中は講習テキストのやり直し

⑥過去問演習

⑦入試対策授業の復習

⑧社会・理科の暗記用テキスト

⑨6年生の年末にはその年の重大ニュースのまとめ

など、授業の数だけテストの数だけ復習項目があります。

これを本人だけでやれるのであれば問題はありません。

おそらくこれらの勉強を自分で管理でき、自分で解き進め、わからないところは塾で聞くといった効率的・効果的な学習を自分で進められる生徒は一番上のクラスの5人程度でしょう。

およそ95%の生徒は自走することはできません。多かれ少なかれ保護者の方のサポートが必要です。そのサポートレベルに合わせてご家庭の負担は大きくなります。

家庭学習の負担はそのままご家庭の負担となり、ご家庭によっては家庭内の不和を生み、家族関係の悪化を生む可能性があります。

家庭学習の負担を減らすために、どんな勉強の進め方ができるかを塾と面談にて話し合いましょう。その話し合いに納得感がなければ転塾も検討できます。

塾に丸投げがいいわけではありませんが、塾が親身になってご家庭の負担軽減を考えてくれるかというのは非常に大事です。

復習すべき問題の選定、学習時間の工夫、承認の仕方などただただ勉強しないとではなくどのようにやるとよさそうかを考えられる塾かどうかを見極めてください。

プロなら具体的な提案が必ずできます。

逆に何をやらなければいけないかしか提示できないのならそれは教材の目次を読み上げているだけ。プロの仕事ではありません。

後述しますが、信頼できる塾とは信頼できるプロであるかどうかを指します。

⑥教材の難易度

中学受験の教材はいろいろありますが、大手進学塾で使われている教材は以下の通りです。

【四谷大塚】:予習シリーズ

【SAPIX】:デイリーサピックス(オリジナル教材・プリント冊子)

【早稲田アカデミー】:予習シリーズ・早稲アカオリジナルテキスト(冊子)

【日能研】:本科教室(授業用テキスト)・栄冠への道(復習用テキスト)計算と漢字(冊子)

【栄光ゼミナール】:中学受験新演習(授業用テキスト)

各教材のレベルと特徴は以下の通りです。

デイリーサピックス:SAPIXは最新の入試傾向を反映するため、あえて冊子にせず毎回授業で配布をするスタイルです。SAPIX教材は中学入試教材の中で最もレベルが高く、御三家合格のための論理的思考力を養う教材です。

予習シリーズ:市販されている教材の中で最も難しいのが四谷大塚の教材で老舗の予習シリーズです。改定の度に難しくなっており、御三家レベルまでを対象とした教材になっています。

早稲田アカデミーは予習シリーズと早稲田アカデミーのオリジナルテキストをセットにして指導をしています。特に上位クラス向けの上位校への算数は論理的思考力が高く、御三家の合格実績の高さを後押ししています。

日能研本科教室:日能研のオリジナル教材で、市販はされていません。

日能研は講習会のテキスト以外はこの本科教室を最上位から基礎クラスまで使用し、中で扱う問題を変えるという運用をしています。

授業を行うことを前提にしたテキストのため、予習シリーズのように自分で進めていくことはできません。問題収録数も多くなく、栄冠への道が家庭学習教材として演習できるようになっています。

収録されている問題のレベルが極端に簡単か、極端に難しいかしかなく、正答率40%から50%の標準から応用レベルの問題の演習には適していません。

全体レベルとしては予習シリーズより少し下といったところで、御三家合格に向けて日能研の教材だけだと少し心もとないといえます。

一方で大学附属校で出題をされるスピードと丁寧さを磨くような問題の掲載も少なく、どっちつかずの印象もあります。

過去問演習や日能研入試問題特別講座(日特)での準備から志望校対策が具体的に進みますが、特に6年生の2月から7月のカリキュラムがどの学校を受験するにしても遠回りしているようなカリキュラムになっています。

中学受験新演習:栄光ゼミナールが主に使っているテキスト。首都圏模試の偏差値で65以下、四谷大塚の合不合判定テストの偏差値で60までであれば十分に対応するテキストです。

また偏差値は高いですが慶應中等部や青山学院中等部など出題難度の低い入試問題には十分対応します。むしろ大学附属校を希望するなら新演習は最適のテキストと言えます。

大学附属校受験にはデイリーサピックスや予習シリーズ、日能研の本科教室でさえ、論理的思考力とひらめきを必要とする高難度の問題演習は不要です。

偏差値ではなく過去問やお通いの塾以外のプロの意見に耳を傾けるのも大事だと思います。

⑦最後は教室の講師・スタッフが信頼できるか(見極め方)

最後は教室の講師・スタッフが信頼できるかが大事です。

こればかりは塾というよりは人の問題です。大事なお子様の将来です。仕組みや他人の実績ではなく最後は講師・スタッフが子どものために一生懸命になってくれるかどうかが大事です。

その見極めとしてはよく見てくれているかどうかがあります。

例えばどんなテストでも適切なフィードバックを行う能力とマメに行おうとする気持ちや管理能力に長けているかどうかは大事です。

どの問題は志望校合格に向けて解けなければいけないのか、どの問題は解けなくていいのか。どんな問題を得点源にした偏差値なのかを分析し、本当の合格可能性を伝えることができるスタッフでなければプロとは言えません。

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